薬剤師の真相
薬剤師の語りの続きとなります。
実は、その薬剤師も私と同様に、火事で家族を亡くした事があるそうなのです。
その薬剤師は、私とは違い、奥さんとお子さんを亡くしてしまったそうで、立ち直るまで数年を必要としたそうです。
その間、心療内科に通い続けたそうですが、様々な医療人に支えられたので、自分もその様な人物の心の支えになりたいと、薬剤師の資格を活かして病院で働き始めたそうです。
しかし、その様な気持ちも空回りを続け、逆に患者の心を傷つけてしまったりして悩んでいたそうです。
そんな時に、私が入院してきて、同じような境遇であるならと、医師に頼みこんで担当にしてもらったそうです。
驚くべき事にその薬剤師は、そこで、私を傷つけてしまったら自分を解雇にして下さいとまで頼んでいたそうなのです。
わざわざ私に関わろうとしてきたのは、その様な理由があったからなのです。
私は、心の中にあった靄を晴らされたように感じ、ここまでのその薬剤師の気持ちや、様々な感情が入り混じり、また涙が溢れてきてしまいました。
自分でも、そこまで涙もろい事に驚いたのですが、薬剤師の方も看護師も釣られて泣いていました。
その後、私は何も気にしていないので、別に退職する必要はないと医師と薬剤師に伝えたのですが、患者を癒すつもりで傷つけてしまうのであれば病院で働く意味はないと辞める意思は固いそうです。
その後、無事退院する事ができ、今では心療内科に通いながら働く事が出来ています。
そして、何故か例の薬剤師とは友人になり、連絡を取り合っております。